香港民主化デモを俯瞰

2014年10月15日

海外投資家の皆様、こんにちは。わんちゃいくんです。


私の住んでいる街香港では、中国政府の方針に反対する大規模なデモが起きています。
一般的には「民主化デモ」と言われていますが、デモ開始から日数が経過するにつれて様々な意見が出始めています。
どちらが良い悪いという意見は読まれる方の主観に任せるとして、現状の分析をしておきたいと思います。

元々の経緯は、全人代による「香港の行政長官(首相に相当する香港政府の代表)の候補者について中国共産党の承認を経なければ立候補出来ない」という香港特別行政区基本法の解釈変更を発端とする、香港の人々が香港の自治を守るために立ち上がったデモです。

現行の行政長官も共産党寄りであると事ある毎に民衆から不満を買っていますが、今後は共産党によるスクリーニングが行われてからでないと行政長官候補にすらなれない為、必然的に香港の行政長官は中国共産党の影響を受けやすくなると言われています。

この為、香港の民衆は「中国が香港と中国の間にある一国二制度を無視して、香港の自治を奪おうとしている」と不安を感じ、そして怒っています。


しかし、一国二制度に関しては「香港で社会主義の制度と政策を実施しないこと」(基本法序文)と、「香港特別行政区は社会主義の制度と政策を実施せず、従来の資本主義制度と生活様式を保持」(基本法第5条)があるものの、実質的には経済的な自治は認められるが、軍事・外交などの分野においては、香港は何ら権限を持ち合わせていないのが事実であり、根底に「香港は中国である」という大前提が存在します。

また、イギリスから中国へ香港が返還された際には、一部の人は国籍選択の余地が残されたものの、香港人は基本的に中国国籍となっています。
つまり、香港にいる人々は「我々は香港人である」と叫びながらも自らが中国人である事を過去に受け入れた経緯があるという矛盾を持ちながら、限定的に与えられた民主主義制度を守ろうとしている事になります。


外国から見れば「中国の横暴による香港市民の反発」と映り、中国への疑念が大きく渦巻く事でしょうが、当の香港市民の心情は複雑です。
本当の意味での自治、つまり独立をしようとすれば、軍事力を持たない香港はあっという間に中国の人民解放軍によって占領されて、想像だにしない惨事となる可能性がありますし、このまま香港市民が引き下がってしまえば中央政府はより一層その支配力を強めようとするでしょう。
さらには、このままデモを続けて香港の経済活動の妨げになるようであれば、香港の自由経済を求めて集まる資金は政情不安定な地域を嫌って離散し、アジアの金融センターとしての地位を失う事になりかねません。

 

香港経済の減速は、中国・香港ともに決して喜ばしい結果ではありませんが、香港市民と中国共産党の我慢比べは、しばらく続きそうです。

 

 

ではでは、わんちゃいくんでした。

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